ずっと「プログラム」に対してコンプレックスを抱いていた。
できる人は異世界の人たちに思えた。 まったく全然素養がないと完璧にあきらめて学ぼうともしなかった。せいぜいHTMLとCSSの基礎を押さえるだけでそれ以上は進む気がなかった。
それなのに最近JavaScriptの学習に凝っている。ちょっと前の自分から考えると驚天動地のことなのだ。これは動画学習サイトの恩恵が大きい。書籍と違って動画が視覚と聴覚の両方に訴えるので、理解で引っかかるところが激減した。
僕はつまらない完璧主義というか、腑に落ちないところが一つでもあると、そこで滞留したまま腐ってしまうという悪癖があった。しかしこの齢にして、虫食いだらけでもどんどんと先に学習を進めていけば、そのうち腑に落ちないところが自然と腑に落ちるという当たり前をようやく身体で理解したのだ。
加えて、文字列を積み重ねてアウトプットを目指すプログラムの世界には情緒が不在で、学習している間はつまらぬことで気をふさぐこともないということもわかって、妙に学習に嵌まっている。
これといった目的がなく、何となく知識が増えていくのを楽しんでいる現状が最も学習に適したモードなのかもしれない。変に野心を持つとどうせまた滞留してしまうのは経験則でわかるし。