わかりました あきらめましょう。

私は進歩しない 旅をするのだ

痛みと心

心の闇の苦しさと、物理的な痛覚や内科的病因に起因する痛みは、不快感という点で同一項にくくることができる。心の痛みには原因があって、それを除去したり、超克すれば、除去できるかもと期待しがちだ。

「不快感」ということでは同じなのだから、鎮痛剤が効くように、心の痛みにも物質が効く。抗うつ剤トランキライザーも間接的に効く。その理路で鎮痛剤は心の痛みにも実は効くのだ。両方に効くことが既に解明されている薬が、ダウナー系の麻薬である。アヘン・ヘロインである。医薬的に精製したものはモルヒネとよばれる。

ヘロインが麻薬の王といわれていることからも、快楽は痛みからの解放であることの証左になる。それが故に、ロインは麻薬の中でも一番廃人への扉が開かれている魔薬でもある。人が人としてあるのは、痛みがあるからであって、それは心の痛みも同じことだとおもう。だからこそ、心の痛みに負けてはいけない。人間としての矜持の源泉はまさに「そこ」にあるのだから・・・

麻薬(ヘロイン) (光文社文庫)