わかりました あきらめましょう。

私は進歩しない 旅をするのだ

クラシックは老成音楽なのだろうか?

クラシック音楽の世界はとにかく老人が大好きだ。老いた指揮者を巨匠・マエストロとよんで盛んに持ち上げる。60台でもまだ若手扱い、70を超えて味が出てきたと盛んにもてはやし名盤を続出するようになるらしい。近年ではヴァントや朝比奈隆が良い例だ。

今日ひとつの演奏に邂逅して目から鱗が落ちた。ハーディングというイギリスの若手指揮者で将来的にはベルリンフィルハーモニー管弦楽団を率いるのではといわれている天才である。二十歳で指揮者デビューしたのだから大したものだ。某書で激賞されていたので好奇心でダウンロード購入してみた。ブラームス交響曲3番と4番である。僕は4番が大好きで常に理想の演奏を探しているのだ。

いわゆる巨匠の演奏と比較するとテンポがかなり早い。しかし即物的な早さではなく音に魂が込められた躍動なのである。僕は4番はスケール感が大切で翼を大きく広げた演奏が理想だと思っていた。ハーディングは違う、色彩豊かに緩急をつけて叩きつけながら音のオーロラを編み出していく、第一楽章のラストのティンパニの怒涛が期待していたのとは違う形の真実であるという理由なき確信が到来した。

もちろん若さゆえに細部の音が時として無機質に感じられる箇所もあるけれど、全体的な有機性の前には瑣末な欠点にすぎない。ブラームスは一般的に晦渋が持ち味とされているけれども、本当に彼はそれを目指していたのだろうかと、この演奏をきいておもった。


ブラームス:交響曲第3番&第4番ブラームス:交響曲第3番&第4番
(2009/04/22)
ダニエル・ハーディング(cond)、ドイツ・カンマーフィルハーモニーブレーメン

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