わかりました あきらめましょう。

私は進歩しない 旅をするのだ

丸5年独りで働いていると

自分がどういう人間だったか自分で分からなくなる。たまに知人に再会したりすると、どう振る舞ったらよいのか途方に暮れる、何をいったらよいのかも分からなくなる。電話とメールでの顧客と現場との情報のやりとりはストックフレーズを繰り返すだけで事足りる。しかし日常的な他愛のない他者とコミュニケーションする方法を忘れてしまった。

そんなわけで再会した人は、それが最期になって疎遠になる。それを繰り返しているうちに、誰からも声がかからなくなった。実家に帰ってメシを食わせてもらうとき以外、他者と会話することがない。

過度にコミュニケーションが欠落した状態に身を置いていると、文章も書けなくなる。昔は推敲しなくても2000字ぐらいの文章はすぐに書けた。今は書いて読み直すと文章になっていないことが多い。論理が飛んでいたり、酷いときは主語と述語がかみ合っていない。

「今日は寒いね」とか「これ美味しいな」とかそういう些細な言葉のやりとりの重要性を、今さら気付いた。お互いの存在を確認し合うだけの中身のない会話も、全くなければ人は自意識の輪郭を徐々に失っていくのだ。