ブコメを見て内田先生を嫌っている人が多いなぁと感じた。僕は2002年に、ご尊顔を拝しにわざわざ神戸女学院のオープンキャンパスへ行ったぐらいなので、内田信者のひとりだろう。
内田樹の特徴はロジカルに文章を綴っているわけではないのに、いっていることに異常な説得力があることだ。論理的でないといっても辻褄が合わないということではなくて(過去に書いたこととの整合性は時として合わないことは偶にある)論理以外に人を納得させるレトリックの持ち合わせをたくさん持っているのだ。
はてなブックマーク界隈には、時に極めてITのテクニカルなエントリに多くのブックマークが集まるように、理系のロジカルシンキング万歳みたいな人が比率的に多い。そういう人たちにとって内田樹の言説はカチンとくるのだろう。
内田樹は九〇年代半ばまでは極めて難解な言葉を操った文章しか書かなかった。現在のわかりやすい文体のテキストを意図的に発信するようになったのはブログを始めてからで、そこにはレヴィナスの「他者と主体論」に書かれているテキストの宛先を強く意識した志が伏流している。
アンチ内田樹の方にも下記の本だけは是非読んでいただきたいと思う。
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/09/02
- メディア: 文庫
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