人生の喜びには大枠で二つあるらしい。
一つは自らの肉体が感受する喜び
ぼくはこれが喜びのすべてだとおもっていた。
その喜びは、肉体が老いていくにしたがって
感じられる総量は減っていく一方。
だから、加齢すればするほど幸せの量が少なくなっていく
そうおもっていた。
しかしもう一つの「与える喜び」は、
肉体に関係がなく物理的限界もない、そういう教えを知った。
いわゆる「慈愛」というのは与えれば与えるほど
深く広く大きくなっていき、死ぬまで汲み尽くせないそうだ。
女性や親となった人はそれを本能的に知っているようだ。
しかし、ぼくのような孤男はそれを忘れてしまいがちだ。
人から奪うこと、刺激を餓鬼のように求めること
そんなことばかり考えているので、
老いれば老いるほど厭世観が積もっていく。
「与える力が大きい人ほど幸せ」
この考えをぼくは迂闊にも今まで気づくことができなかった。
「与えること」に関してぼくができること・・・
仕事を心込めてやることと、親孝行ぐらいかなぁ。
自分自身に敬意をもって丁寧に生きることも
与えることかもしれない、それなら今、この瞬間からもできるか
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