天空団地_404

You play with the cards you’re dealt… Whatever that means.

ぼくのふれんど

大ブームを巻き起こした低予算アニメ「けものフレンズ」が終わりました。主題はピュアに「友情」でした。テンプレート化した物語に食傷気味のアニメ業界で、友情というすべての人々に訴えかける物語を上手く表現できたこの作品は、一つの橋頭堡となったはずです。幼い頃の意味も無く自分の友達を大切に誇らしく思えた誰にとっても綺麗な記憶を喚起させることができたから、大きなムーヴメントを起こすことができたのだと考えます。

様々なメデイアミックスに失敗して、敗戦処理的に生み出されたアニメが、これだけ世間を騒がせるのですから、創作の世界は奥が深いです。最初誰も期待していない作品だったこと、絵柄的には子どもに喜ばれそうな愛らしいキャラクターデザイン、低予算ゆえの若干ぎこちない3Dの動きといった視聴者の敷居がかなり低いところからスタートし、徐々にEDを始めとした微かに漂うディストピア感に一部の敏感な人たちが気づき、回を重ねる毎に多くの人たちが創り手に対するリスペクトを高めていく流れも興味深いものでした。

作品全体に不思議な磁場みたいなものがあり、設定の瑕疵や声優の演技等に疑義を感じることが強く阻害されていて、毎週発行される絵本を楽しんで繰り返し読んであっという間に最終話にたどり着いた感じです。冷静にみればED歌手が声を担当したスナネコなんて下手です。しかしリアルタイムで観ていて、それが全く気にならなかった。それがスナネコなんだという謎の説得力がありました。サーバルだって蝶ネクタイをした猫耳美少女なのに「あざとさ」という感覚が一度も生じませんでした。

創り手の才能が一番でしょうけれども、プラスアルファとしてマイナスをすべてプラス要素にしてしまうミラクルな何かが確実にあった作品なのでしょう。個人的には、ひどい怪我をして痛みに苦しんでいる時期に毎週心を癒してくれたこの作品に感謝したいです。

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僕の名盤 Greetings From Timbuk 3

Greetings From Timbuk 3

Greetings From Timbuk 3

このアルバムを知ったのは高校生の時だ。FM番組をエアチックして繰り返し聞いたカセットテープに彼らの曲が入っていた。男女のボーカルの寂しげなハーモニーが好きになってレンタル屋でLPを借りてダビングして愛聴した。

パッとしなかったミュージシャンにパッとしないミュージシャンが恋をした。二人は組んで音楽活動をすることになったがリズムを担うメンバーが確保出来ない。仕方がないのでシンセサイザーでリズムトラックをつくりそれをラジカセに録音してそれをバックにギターをかき鳴らした。それなりの人気を得ることができて、カレッジチャートで一位を取れたことをきっかけに、メジャーからこのアルバムを出せた。そいういう流れで彼らの歌声が僕の元に届いた。

このCDはずっと再プレスされず、ダウンロード販売もされていない。仕方がないので断片をYouTubeで聞くだけだったのだが、中古価格がこなれてきたのでやっと入手できた。それなりの金額を払ってCDを入手したのは久しぶりだ。

特に「I Need You」という曲が好きだ。Amazonのレビューをみたら同じ感想を持っている人がいて嬉しくなった。

更に馬鹿になった

もともと聡明さに欠ける私だが、怪我を機に更に知能指数が下がった気がする。実行するしないは別として、脳内に様々な計画というか妄想が膨れあがるタイプだったのに、ふと気がつくと「何も考えずに時間だけが過ぎていたことに気がつく」瞬間が激増した。

ネットや書籍で刺激的な文章と出会っても、そこから派生して色々考える力がひどく衰えた。準備中のビジネスサイトのリニューアルに関しても、なんのアイデアも脳内に生じない。

こんなことは、違法になる前の某化学物質をオーバードースして、死にそうな思いをして以来だ。肉体を毀損すると思考を抑制するような仕組みが脳に備わっているのかもしれない。そしてそれが長引いたら、基本ベースで劣化が起きてそこで固着してしまうのかも・・・

そういえば老人は、老いても聡明で論理的に話せる人と、老いが知的活動を著しく阻害しているのが痛々しく伝わってくる人の差異が著しい。反発力の無い小学生のような思考しかできない老いた人はいたるところに居る。老化に負けたのか、単調な日々が思考力を錆び付かせたのか、両方だろう。

もはや他人様から敬意を得たい気持ちは萎え萎えだけれども、仙人のように、老いても知的な存在でありたいという願望は強いワタシ。座して治癒を目指すより、これを機会にリハビリや新しいスポーツをはじめたりして、怪我前より肉体的に強靱になり、脳の若さも保ちたいものだ。ほんと

Flowers In The Dirt

フラワーズ・イン・ザ・ダート[スペシャル・エディション](2CD)

フラワーズ・イン・ザ・ダート[スペシャル・エディション](2CD)

リマスター+デモの一連のリイシューシリーズ最新盤がこれ。今回からシングル収録曲・リミックスバージョンがダウンロードのみとなったので一部のファンが憤怒している。ただ邪推されているような理由ではなく、このアルバムから4枚もシングルカットしたり、12インチアナログ等で別バージョンを乱発しまくったので、CDに収録すると収拾がつかなくなるという物理的な理由なんじゃないかなぁ。

ともあれ傑作だ。過去のスーパースターではなく現役ミュージシャンの最新作という感覚で発売されたアルバムとしてはこれがラストだろう(ポールは微塵もそう思っていないだろうが)商業的に大失敗した前作「Press To Play」から巻き返しの意味を込めて、気合いが入りまくっている。全体を仕切ったプロデューサーはいなくて、いろんな人が入り乱れて作られたわりに、音の感触に統一感があるのが良い。甘く緊張感が途切れがちなソロポールの欠点を、エルヴィス・コステロとの共同作業で見事に押さえつけて、辛口で締まった作風に変質させることに成功したのが名盤になった理由だろう。

弥生雑記

痛んだ腰が中途半端によくなって、持病の背中の疼痛とつらさのレベルが均衡してきた。こうなると「どちらも辛くて相乗効果でさらに辛い」という嫌な状況に陥った。一箇所がひどく悪いと他の辛さは上書きされてしまうのだけれども、複数箇所が同程度に悪いと辛さが二乗されるという最悪の状態になる。

加えて春の抑うつと軽い花粉症も加算されて昨日と一昨日は青息吐息だった。鎮痛剤を服用するしか術がないのもアレなので、カラダ全体を休ませるために、軽い断食をしている。その効果かプラセボか、今日は朝から多少は気持ちが明るい。薬も数日断った方が効き目が戻るかもしれない。

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のけものはいない

観るとIQが下がるといわれた「けものフレンズ」も残すところあと1話になりました。世界観が現れるにつれ低いIQのままでは、置いてかれそうです。サーバルちゃんがセルリアンに呑み込まれたときの絶望感は、だれもが心の奥底に沈めてある琴線に触れたようです。

寂しげなかばんちゃん
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あんまり深読みしないで自然体で最終話を観てみたいです。